FJT(機能的関節療法)
FJT(機能的関節療法)とは?

病院で検査をしても「異常なし」と言われたのに、痛みやしびれが消えない。整形外科でレントゲンやMRIを撮っても原因が見つからず、湿布や痛み止めでしのぎながら過ごしている——。そんな経験をお持ちの方は、決して少なくありません。

米国の整形外科医 John McM. Mennell(メネル)は、1964年に「レントゲンなどの画像に異常がないにもかかわらず痛みを訴える患者が、臨床では最も多い」ことを指摘し、これを Joint Dysfunction(関節機能障害) と名付けました。画像に映る「形の異常」だけが痛みの原因とは限らず、関節が本来もっているなめらかな動きそのものが損なわれているケースが数多くある、という考え方です。

FJT(Functional Joint Therapy/機能的関節療法)は、この関節機能障害に着目した徒手療法です。症状をその場で抑えることだけを目的とするのではなく、関節とその周囲の筋肉・組織に働きかけ、関節が本来もつ自然な動きを取り戻すことを目指します。さらに、施術後も良い状態を保てるよう、再発しにくい身体づくりという長期的な視点を大切にしています。

FJTの施術
FJTのアプローチ

FJTでは、痛みの出ている場所だけを診るのではなく、身体全体のつながりや動きのパターンを踏まえた、多角的なアプローチを採用します。その場の痛みをやわらげるだけでなく、痛みを生み出している背景そのものに働きかけ、生活の質(QOL)を高めていくことに重きを置いています。

関節の動きと協調性を整える

関節内の細かな運動を正常な状態に近づけることで可動域を広げ、筋肉の過度な緊張による痛みの軽減を目指します。関節がスムーズに動かない状態が続くと、周囲の筋肉はそれを補おうとして余計に緊張し、さらに動きが悪くなる——という悪循環に陥りがちです。

あわせて、関節と筋肉が連動して働く状態を整えることで、特定の動きに偏った負担を減らし、無理のない姿勢を保ちやすくします。

動作パターンの再教育

痛みをかばう動きや長年の生活習慣によって、身体には知らず知らずのうちに不適切な動きのクセが染みついていきます。FJTでは、こうしたクセを見直し、負担の少ない動作習慣へと導いていきます。

また、ご自宅で実践できるエクササイズやセルフケアの方法もお伝えします。施術を受けるときだけでなく、日常のなかで良い状態を保てるようにすることが、再発を防ぐうえで大きな意味をもちます。

全身からの視点

痛みが出ている場所と、その原因がある場所は、必ずしも一致しません。たとえば膝の痛みが、実は股関節や骨盤の状態に起因していることもあります。FJTでは膝や腰など痛む部位だけを診るのではなく、それに関係しうる他の部位の影響まで含めて、全身を見ながら調整していきます。

この全身的な視点によって、痛みの軽減だけでなく、可動性の向上や日常動作のしやすさといった変化も同時に期待できます。

従来の考え方との違い

「関節が変形しているから痛い」と考えられがちですが、近年では「痛いから(かばう動きが続いて)関節が変形していく」という側面も指摘されています。FJTは、痛みという結果ではなく、その背景にある"動きの問題"そのものに目を向ける点に特徴があります。下の表に、その考え方を整理しました。

観点FJTの考え方
評価のしかた静止した状態だけでなく、歩行や日常の動作を観察しながら、関節と筋肉の動きの関連性から状態を捉える
原因への視点痛む場所と原因の場所が一致しないことを前提に、全身を考慮して原因そのものにアプローチする
めざすゴールその場の痛みの緩和にとどまらず、再発しにくい身体づくりとセルフケアの定着までを視野に入れる

痛みの感じ方だけを手がかりに対処するのではなく、「なぜ痛みが生じているのか」を動きの面から総合的にとらえ、その原因に働きかけていく。この積み重ねが、日常生活はもちろん、趣味やスポーツの場面での動きやすさにもつながっていきます。

施術の流れ

FJTは、流れを理解したうえで計画的に進めることで、その効果を十分に引き出しやすくなります。当院では、おおむね次のようなステップで施術を進めていきます。

カウンセリング・評価

症状や日常生活でのお困りごとを丁寧におうかがいします。そのうえで、痛みの範囲や関節の可動域、姿勢・動作のパターンなどを確認し、症状の背景にある要因を見立てていきます。

施術プランのご提案

評価の結果をもとに、おひとりおひとりの状態や生活スタイルに合わせた施術の進め方をご提案します。お仕事やご家庭の事情も踏まえ、無理のないペースを一緒に考えていきます。

施術とセルフケアの共有

施術に加えて、ご自宅でできるケアや日常で気をつけたいポイントもお伝えします。ご自身でも取り組んでいただくことで、良い状態を保ちやすくなります。

経過の確認

その後の身体の変化を見ながら、必要に応じて進め方を見直していきます。状態に合わせて柔軟に調整しながら、段階的な改善を目指します。

院内の様子

FJTは、症状をその場で消し去る即効性を狙うものではありません。関節の機能を少しずつ整えながら、段階的に改善を目指していく施術です。そのため、効果のあらわれ方には個人差があり、変化を実感するまでの回数も人それぞれ異なります。

だからこそ、信頼できる施術者と相談しながら、計画的に取り組んでいくことが大切です。「どこに行っても良くならない」とお悩みの痛みについて、まずは一度お話をお聞かせください。気になる点は、初回のカウンセリングでお気軽にご相談いただけます。

※ 本ページはFJT(機能的関節療法)の考え方についての一般的な解説です。症状や体質により適応・経過は異なり、すべての方に同じ効果をお約束するものではありません。受診をご検討の際は、事前にご相談ください。

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